玄関を考える

 「玄関は1間は欲しい」とよく言われます。土間が1畳、上がったところが1畳と考えていらっしゃる様子。でも玄関が必ずしも1坪でなくてはならないなんてことは全くないと思います。
 ミニマルな設計をした黒の家では1間より45㎝狭い130㎝ほどの幅です。

 幅は狭くしていますが壁で囲ってしまうのではなく階段の登り口を設けたり、シューズクローゼットの入口があることで広がりがでてきます。30坪のコンパクトな住まいですが玄関をこの寸法にしたことで玄関脇には1.5畳のシューズクローゼットもできました。階段上部に窓があり自然光が差し込むのも狭く感じさせない工夫です。床はカバ桜の無垢材を使用して温かい感じに仕上がっています。

 中庭のある家はあえて広い玄関にしています。

 以前農家だったこの住まいでは来客も多く今も野菜などを育てており、家の内外を忙しく行き来されています。玄関を庭の正面に設けて廊下、玄関、庭が一体となった場所にしています。庭側が南なので、和室も日当たりがよくいつでも庭を楽しめるようになっています。

 真四角の1坪玄関から、少し発想を豊かにしてみると家づくりが楽しくなるかもしれません。

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