図面を書いて思い通りにつくるというのが設計の本来のあり方だとは思いますが、予算のこともあり工期のこともありなかなか設計者の思い通りにさせてもらえないことも多々あります。それでもどうにか良質なものにしたい。
黒の家でこのことを考えたのは階段です。当初は図面を書いて大工さんに作ってもらういわゆる造作にしようとおもっていましたが、予算調整で段板と手摺は既製品ですることになりました。一般的な一坪でイッテコイする階段なので狭く感じないよう、中心の手摺を開放的なものにしたいと思いました。
段板は2階の床板と同色で濃い目。壁は白なので巾木や蹴込みも白。手摺を黒にしてシャープで引き締まった印象にしています。すべて既製品でできています。壁もごく一般的なビニールクロスです。手摺は外側を回っている丸いものと中心の角のものは別のメーカーで選んでいます。部材の発注前に大工さんとよく打合せをし細かい部分の納まりも確認しておくことで、既製品をつかっていても感じのよいものなっているかと思います。