黒の家の外壁は金属サイディングです。金属鋼板の裏に16mmほどの断熱材が付いています。パネル状になっているので施工性がよく、現在はよく使われています。金属サッシとも相性がよく、コーナーの金物や板金なども利用して少し個性的な形にすることができました。
一番気をつけなければならないのは傷です。外部まわりは外壁を施工してからも設備や庇などさまざまな職方がはいるので、窯業系のサイディング以上に注意が必要です。
現在はコストやメンテなどの面でサイディングが多くなってしまいましたが、かつてはもっといろいろな仕上をやっていました。
こちらは防水モルタルの刷毛引き仕上げ。左官は手間がかかりメンテナンスも必要なため、だんだん使えなくなってしまいました。私はとても好きな仕上です。
こちらは幅広のガルバリウム鋼板のタテハゼ張り。1枚ずつ手作業で嵌合させていくのでかなりの手間がかかります。1枚が大きいのでたわみがでることもあります。再塗装は不要。
硬質なイメージになり、それはそれで個人的には好きな表現のひとつです。
サイディングのような既製品の材料はとにかく選定することに神経を使います。その後はある部材できれいに問題なく仕上げていくことを考えます。左官や金属板のような素材のままに近いものは、選定した後どのように納めていくかということを膨大な時間をかけて検討していきます。雨仕舞いや部材同士の接合、見え方・・・設計者としてはとても大変な作業なのですが、それもまた楽しい仕事とといったところでしょうか。