

船橋市の中心街から少し歩いた寺町エリアで木造平屋建ての飲食店を設計監理している。裏通りだが地元の人たちが何ができるのかと興味深そうに見ながら通り過ぎていく。今は電気配線や下地がほぼできあがり、内外ともに仕上に入るところだ。
最近はハウスメーカーの新築が多く、だいたい仕様は同じで工事工程を見ていても同じような場合が多い。その方が早いし職人さんも同じことをすれば良いから慣れた手つきでこなしていく。しかし今回は一点ものとして依頼されたからには設計上も様々なことを考えた。環境、場所性、形態、目線、関係性・・・
その結果現場に入ってからいつも通りに行かないと思った職人さんから質問がくる。事務所からも自宅からも近いので、しょっちゅう呼び出されている。大工さん、板金屋さん、左官屋さん、電気屋さん・・・皆さん決して一方的に聞いてくるのではなく、意匠上どうしたいのかを聞きつつ施工的にどうするのがよいのかということを考えながら打合せをしてくれる。こんなにありがたいことはない。
最近は工務店から依頼される仕事がほとんどで、事務所勤務時代にしていたような木材をふんだんに使いディテールまで指示するような仕事はしていなかった。世の中の多くはそういう建物だしコストも時間もかかることだから、その中で納める必要があることも重々承知している。今回のように職人さんたちが豊富な経験と知識を動員して仕事をしてくれている現場に出会えたことは実に幸運なことだと思う。

