先日友人達と静岡の建築巡りをした。静岡は私の郷里で実家もあるのだが、建築をじっくり観て回るというのは始めての経験だった。2泊3日の旅で新旧取り混ぜて30近くの建築を見た。残念ながら内部は観られないものもあったが、建築を堪能した旅になった。
心に残ったものをいくつか紹介したいと思う。
旧マッケンジー邸はW.M.ヴォーリズが設計した1940年竣工のスパニッシュスタイルの住宅である。マッケンジーはお茶の輸出振興に尽力した人物でぜんそくの持病があったため、海辺で富士山がみえるこの地を選んだとのこと。夫の死後も夫人エミリーはここに留まり社会福祉の向上に努め、静岡市の名誉市民第1号となった。
ヴォーリズの設計は素晴らしいところがたくさんあるが、この踊り場のベンチは特に素晴らしい居場所になっていた。天気がよかったこともあるが、2月末とは思えないほど窓から気持ちのよい陽光が差し込んで暖かく包まれるような空間であった。